<サプリ 最終話>
ーWATCHing with youー「好きにも 資格がいるんだよ」
「自分に何にもないのに その人に ただ しがみついてるのって
好きとは違うのかなって」
なっちゃんに 話す言葉は 自分に言い聞かせる言葉
「ゆ・う・や く~ん」
都内のめぼしい広告会社を前に撃沈した 勇也
迎えに来てくれる友だちの車を待ち ベンチに座った横顔
夕日に溶けてしまいそうな シルエット
「俺 実家 帰ろうと思ってんだ」
やり直すことを決心する勇也
柔らかい笑顔
淋しさから立ち上がるとき 人はこんなふうに微笑むのだろうか
今は 心を厚く覆っている淋しさ
だけど それに負けてしまったわけではない
逃げ帰るわけじゃない
もう一度 始めるために 出直そう
静かな決心
厚く降り積もった雪の下に 芽吹いた小さな芽
ほんとうに 小さな芽だけど
春が来れば きっと 雪を溶かして地表に現れるに違いない
そう信じたくなる
勇也の心に生まれた 小さな小さな芽
「浅い男になっちゃ だめだよ」
「せめて藤井さんには ちゃんと話した方がいいんじゃない」
サーフボードを取りに行った今岡邸で なっちゃんに言われた勇也
ほんとにミナミに会った方がいいのか
会ったら なんて言おう
ほんとうに 今 会ってしまったら
ミナミから 離れてやり直す決心は揺るがないのか
会いに行くと決めて 歩いている間も
不安と迷いが 襲ってくる
会社のビルから出てくるミナミ
ミナミを見つけたその瞬間
消えてしまった
不安も迷いも 何もかも
ただ 会えて嬉しかった
ふっと 緩んだ 勇也の無防備ともいえる表情
ミナミがそこにいる
この一瞬だけで 勇也のミナミに対する思いが見て取れる
どんな台詞より どんな説明より 「この勇也」を見れば分かる
ミナミを追いかけて 横断歩道を走る勇也
そこへ 現れる荻原
現実に引き戻され
どちらが ミナミにふさわしいか
今一度 思い知らされる勇也
来た道を引き返すしかない
地元の「わかば広告」に就職を決める勇也
「他の仕事も いろいろ考えてみたりはしたんですけど
でも やっぱり 少しでも (ミナミと)同じ仕事していたいんです」
今まで いい加減に過ごしてきた自分が
初めて 面白いと思えた仕事
本気でやってみたいと思えたこと
最初は ミナミのためだった
少しでも 近くにいたくて
ミナミの隣にいたくて 続けたいと思ったこの仕事
今では 自分自身が やってみたいと思えるようになっている
この思いは ミナミがくれたもの
「石田にしかできないこと あるんじゃない」
ミナミがそう言ってくれたから
同じ仕事をしていたい
傍にいられなくても いい
離れていても 同じ方向を見ていると思いたい
WATCHing with youミナミを見ていた 勇也
勇也を見ていた ミナミ
渡辺さんの言葉で
自分にとっての勇也の存在の大きさに
今更ながら気付いたミナミ
「藤井さんは 仕事が好きなんじゃなくて
ひとりが好きなんだよ」
自分の弱さを気付かせてくれた勇也
いつも見守ってくれていた 勇也の瞳
ミナミのプレゼンは 成功し
荻原に背中を押されて 勇也に会いに行くミナミ
「人生は すべてタイミングと運
二人はタイミングをはずしただけ」
田中さんは そう言ってたけど
ミナミの作ったコピーの看板を 勇也が設置している
これって凄い運命だよね
看板を見上げる勇也
突然のミナミからの電話
自分でも 意識しないうちに ミナミを探してしまう勇也の眼
そこにいるはずはないのに
探すことも 求めることも 自分で禁じていたのに
思わず探してしまう 勇也の本音
ほんとは 忘れたことはなかった
いつも 傍に置いていた
大切にしていたその人への想い
今の自分が一番 傍にいて欲しい人
求めてもいるはずのないその姿が
今 ここに ある
「何やってるの?」
「北京 行かなかったの?」
今 自分の目の前にいるミナミ
だけど すぐには 信じられない
何を言っていいのかも わからない
「伝えたいこと 一番伝えたい人に 何も言わないで
行けるわけないじゃないの」
自分をコントロールするだけで精一杯だった自分
だから 一人でいることを選んでいた
でも 今は 二人でいたい
そう 思えるほど 好きな人がここにいる
「好きよ」
やっと 伝えられた三文字
「こんな天気の日は 思うんだよね
俺にしかできない 他の何かがあるんじゃないかって」
でも 目の前にある仕事の中にしかない
ミナミと会えて 今 そう思えるようになった自分
自分の足元にあるもの
それを大切にしていくことでしか得られないもの
それに気づかせてくれたのは ミナミ
「いつかもっと働いて いっちょ前の大人の男になったら
ミナミのこと迎えにいくから」
WATCHing with you二人で見守り合っていく時間
温めあっていく その時間
人は 変わる
人との出会いで
誰かのために変わりたい
そう思えたとき
今までの自分と違う自分になれる
お互いを変える出会い
「サプリ」
互いが 互いのサプリでいる
互いを補い合い 高めあう関係
WATCHing with you隣で 見守る人
離れて見守る人
勇也と ミナミだけでなく
伝えたいことを伝え合った後
見つめる距離は違っても
お互いを見つめていける相手がいる
恋愛 親子 友人として
離れていても 温めていける想い
温め合える時間
<サプリ 最終話>
最終回は 苦手と言っていた私にとって
ドラマから 離れる淋しさはあっても
温かく流れ続ける時間を予感させるものであったと思う
ドラマ <サプリ>
一生懸命はいつか伝わる今 2年経って 今更って感じもあったけど
書いてよかった
時代を経て いつか再評価される作品
改めて そんな思いを強く持った
このドラマの勇也を亀梨君が演じたこと
私が このドラマを見ていたこと
すべては 運命
この運命は どこに繋がっていくのかしら
WATCHing with you しながら
亀梨君をサプリにして
<おまけ人生>を楽しんでいくとしましょうか(笑)
< FINE >

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