勘はいらない
思い込みもいらない
難しい知識も 教養もいらない
身体全身で 感じればいい
さすれば バッカスは 必ず答えてくれる
存在を否定するには
まずは 向き合うことから始めねばなるまい20歳の誕生日にワインだけは飲まないと決めた雫
その雫が ワインを口にする瞬間
<
神の雫 1話>
いや <
神の雫全体>に関わるキーポイントとなるシーン
20歳の誓いを捨ててまで
今 ワインを飲む理由はどこにあるのか
親子の関係が壊れてしまったレストラン
<ファミーユ>の窮地を救うため?
この親子の亀裂は 雫と父との関係と共通した部分があり
確かに この親子を放ってはおけない気持ちもあったろう
しかし 雫をワインへと向かわせたものはそれではない
父の親友だった ロベールの一言
(父=ワインの)存在を否定するには
まずは 向き合うことから 父から逃げ
ワインから逃げていては
何も 変わっていかない
それらから 解放されるには
今一度 向き合って その存在を しっかり見極め
自ら消し去るしかない
父がなくなった今
雫が向かい合うことができるものは
父の残したワインだけ
ワインに込められた父のメッセージを読み解く
それが父と向き合うこと
憎むと言う感情は すべての感情の中で
一番強いエネルギーを秘めているのじゃないんだろうか
無視することも 忘れることもできない
それほど強い想いに縛られている
ほんとうに 自分と無関係だと思うなら
忘れればいいんだ
気にしなければいいんだ
でも それができない
それは 何故?
「愛してるから憎む」
「憎むことは愛情の裏返し」なんて
軽い言葉で片付けてしまいたくはないけれど
それは 忘れることができないほど
重いものであることは 否定できないだろう
憎んでいる本人が気付いていないくらい深いところに
憎しみの本当の理由は 隠されている
どんなに逆らってみても
神咲豊多香の息子であるという事実を変えることはできない
ただ逃げているだけでは だめだ
父がこだわったワインというものに 真正面からぶつかるしかない
遠峰一青との勝負
それは 父との対決でもあり
父の呪縛から 解き放たれるための自分との戦いに挑むこと
DRC リシュブール
レストランの店長が妻の好きだったワインだといって
開けてくれたワイン
一口飲むだけで 広がる100の花の香
もしかして これは あのときのワイン?
まっしぐらに走っていき 真偽を確かめる雫
やはり それは 母の命日に 父がお墓に供えたワインだった
「次に来るときは せめて 花ぐらい持ってきてください」
こんなときにまで ワインしか考えられない父に
押さえ切れない怒りを感じた雫
しかし
それは 100の花
父はワインという形をとって
墓前に あくまで自分のやり方で 花を供えていたのだった
何も語ってくれなかった父
父は 自分に何をさせたかったのか
それが 知りたい
その思いから 遠峰一青との対決に向かった雫
シャトー ムートン ロートシルト
一青は <ミレーの晩鐘>だと評し
雫は <永久の別れだ>と感じる
ワインを飲んだだけで
1990年 その畑でとれた葡萄の味を思い出した雫
そして 母の記憶が身体を包む
風に飛んでいく 帽子
その持ち主の命は尽きる
自分の目の前で
自分が食べた美味しい葡萄を食べさせてあげたかったのに
それを口にすることもないままに
父には負けたくない
父が僕に何をさせたいのか
その心を知るまでは
僕はこの勝負を続けます雫の長い間のワインへの拒絶は
母の死に もっと深い秘密があるにちがいない
母の死に影響を与えたであろう父の存在とワインの関係
まだまだ 謎がありそうだ
ワインにまつわる出来事が
雫の古い記憶を甦らせ 母・父との絡まった関係も解き明かされていく
それとともに 雫の父への想いが変化していくのではないかと
そんな予想をしながら
次週を楽しみにしたい
ムートン ‘85年
「これだけは飲めない」のは 何故?

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