なるほど やっぱりLOVEなのね
テーマは
<世界は愛でできている>産みの母に捨てられ
愛人の子として育てられた青
けれども 兄の紺が青を見つめる目は
愛に満ちている
自動ドアの前で待ち構えている
へんなおじさんと思われていたのは
孫を抱きあげたいというおじいちゃんの愛だったという事実
お父さんが誰だか分らない花陽は
お母さんの一生に一度しかない<ものすごく大きな恋>から
生まれたという発見
やっぱり
世界は愛でできているのね
出演者も豪華
個性的で演技の上手い人ばかり
物語も丁寧に作りこまれている
ドラマの種類分けをするとすれば
平成版「時間ですよ」か「寺内貫太郎一家」というところ?
<時間ですよ>は 舞台が銭湯
普段は TVで流れないような映像は
なんだか他人の隠している部分を盗み見するような感じ
森光子の存在感が大きく
後 思い出せるのは 堺正章くらい
浅田美代子の「赤い風船」
内容については 全くと言っていいほど記憶がない
一方 <寺内貫太郎一家>
樹木希林さんの「ジュリー」のポスターの前での悶絶
おやじのちゃぶ台 ひっくり返しと 西城秀樹の投げ飛ばし
浅田美代子と西城秀樹のデュエット
毎回繰り返されるこのシーンだけが残っていて
こちらも 内容は まったく覚えていない
向田邦子の脚本だというから
きっと深いものがあったに違いないのだろうけれど
2つのドラマとも
世間的には ヒットして
続作もたくさん作られたほどだけど
私は
このドラマの本当の面白さは分かっていなかった気がする
ホームドラマって すごく奥が深いのね
それを 味わうには
受け取り手にも
ゆったりとした日常をかみしめる余裕が必要なのかも
<東京バンドワゴン>
物語を流れるものは 温かくて 心地いいけれど
インパクトとしては 少し弱い?
たとえてみれば
心と身体を温める すこしぬるめのお湯
身体をしゃっきとさせるほどの熱い湯や
ミストサウナや 塩湯 など
目先の変わった新しいものが好きな現代の人々は
それで満足できるのか
そこが 心配
半沢直樹の<大和田常務>はじめとする<悪者>や
おねえキャラの<黒崎>のような濃いインパクト
半沢の妻の<ハナ>のような世の中の男性すべての癒しの妻
そんな濃い味付けに慣らされた視聴者は
この薄味の家庭料理を
「やっぱり 最後に帰るところはここね」と
感じてくれるかどうか
百科事典が2冊 消えたり現れたりするというだけでは
ミステリーとしても 成り立ちにくく
視聴者が子どもであれば ドラマへの集中を欠いてしまうかも
そして やっぱり
青の描き方には
私の想いが溢れてしまう
交番で「愛が欲しい」とグダををまくところからの始まり
あれでは 母に捨てられた青の淋しさは軽く扱われ過ぎじゃない?
青の心はもっと深いところで傷ついているのだから
「色気やキラキラを封印する」
何故 そうするんだろう?
明るい堀田家の中で 青が異質の存在であってもいいじゃない?
普段は 冷たくて 堀田家の中からはみ出てるようで
それでもみんなは青を包んでいるし
青も ほんとはそのことを知っている
「我南人の愛人である青の母って どんな女性だったんだろう?」って
「こんなにも素敵な家族を持ちながら
青の父が愛してしまうほどの女性だったんだ」
視聴者がそう思えるような<青>であってほしい
我南人と青のぶつかり合いも
表面上のもので終わって欲しくない
青は頭で理解してるのだけど
心で受け止めることができなくて苦しんでいるのだから
髪型・服装 もっと シャープにして
青の魅力 全力投球させてあげてほしい
そんな青を演じるために 彼は存在するのだから
ファンだから そう思ってしまうのだろうけど
やっぱりもったいない気がするその方が 青が主役として存在感を出せるのでは?
どうしてもそう思ってしまうの(泣)・・・・・・と
ついつい 口からでてしまうのは
私の心は 彼への愛で出来ているから(笑)
ほんとに 細かいところまで丁寧に作られたドラマだと思うし
今の世の中に こんなふうに愛が満ちてくれたらとも思うから
多くの人に 見てほしい
それにしても
玉置さんのオーラーは別格
屋上でのライブシーンと歌
普段のままなのかもしれないけど
素の姿が演技を超えている
森光子
小林亜星
それに匹敵するのが 玉置浩二
<ひとつ屋根の下>も ヒットした家族ドラマだったけど
「そこに 愛はあるのかい?」だったらしいから
「LOVEだね」もその路線だね
「倍返しだ」「いや 百倍だ」と
大きな声をあげて少し疲れた人々が
ゆったり温かいお湯に浸かって
自分の周りにある小さな愛を顧みる余裕を持ってくれたら
きっと このドラマも見てもらえるんじゃないかと
静かに期待したいと思います
「オールウェイズ 三丁目の夕日」のような
昭和を懐かしむのとは また違った趣の
平成の家族ドラマとして
人々に受け入れてもらえたら嬉しいなと思っています
