「いままで その程度の決意で戦ってきたのか」
「神崎豊多香のしたことが そんなに許せないか
私が血を分けた兄だということが そんなに腹立たしいか
これしきの試練を乗り越えられないとは ほんとに情けない」仕事場までやってきて 雫に投げつけた言葉は
一青自身が 自分にぶつけている言葉
「一番辛いのは 一青ではないか」一青の心の奥に秘められたもの
雫が 理解できるのは なぜ?
母と自分は 父に否定されたと思い
父の存在を 認めないで 生きてきた
思いを封じ込め
父を求める自分に気づかぬ振りをしながら
自分には 必要ない存在だと 切捨てて ここまで来た
それなのに いつのまにか
ワインに魅せられ ワインに引き込まれている自分
それは 雫だけでなくて 一青も同じこと
同じ父の血が 2人に流れ
2人を引き寄せ 父の愛したワインへと向かわせる
否定しても 否定しても
ワインへ向かう自分
父の思いが知りたいという気持ちを捨て去ることは出来ない
知らなかったのは 2人だけ
「あなたには 僕の思いはわからない」マキに そう言った一青
そう 自分の思いを分かってくれるのは ただ一人
血を分けた弟 雫だけなのだ
一青が雫を見つめる目
「必ず這い上がってくる」そう信じた一青の目が 優しくて
血はワインより濃し<ワイン>の対決が2人を巡り逢わせたのではない
2人を結び付けていたものは <血>
否定してしまいたい父の血
それが 2人を引き寄せる
2人が向かい合っているシーンを目にして
私は 今まで自分がこだわっていたものが
溶けていくのを感じた
とうてい 許しあうことは出来ない2人なのだ
そう思い込んでいたことは
<頭>で考えていたこと
人は <頭>でなく
<心>で感じてしまうもの
頭では けっして受け入れることができない存在
けれども 心はすでに彼を受け入れている
彼は 自分の兄なのだから
頂上には 何もないけれども
大切なものは 戻ってきたときに見えてくる孤独 恐怖 厳しさ
それを乗り越えたあと 気づくもの
前から そこにあったのに
見えてていなかった安らぎや温かさ
それは 黙って自分を迎えいれてくれる
大きな山との闘いの後に 麓で感じる その安心感
見守ってくれてる人がいる
ただ 黙って信じて待っていてくれる
1度は逃げ出した 使徒対決
もう1度 向かい合う決心をさせたのは
父の遺言の使徒対決の向こうにあるものが 見たいから
勝敗には こだわらなくていい
大切なのは ワインの対決ではなく
その向こうにあるもの
いまの自分には 見えない何かを 見たい
そのためには 使徒対決から 逃げることはできない
真剣に 立ち向かい 全力を尽くす
「もう1度 対決させてください お願いします」そう申し出た雫の顔は
自分の進むべき道を 見つけたものだけが持つ
まっすぐな決意で溢れていた
今 雫は自分でも気づかぬところで 超えようとしている
父とは異なる感性・表現
雫は 今 歩き始めた
父の遺言に込められたものを知ること
その向こうには 何が 見えるのだろう

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今回の対決の結果 不戦敗でしたね。
7回勝ったり負けたりなのかと思ったら
同じもので 間違えたりや
こんな形もあって いい風に予想を裏切られています。
<自分はひとりじゃない。そう思うと勇気がわいてくる。まだ自分でも気づいていない大事なものがあるような気がして>
だから戦いたいという 雫。
この時は 会社の仲間のことを指していたみたいですが
<一人じゃない>って兄の存在を認めようとしてる?
ってことにつながっていくのでしょうか?
今までの 対決シーンとは 違う少し柔らかい表情の二人。
対決の結果も気になるけれど この二人の気持ちの変化が凄い楽しみになってきました。
雪山の雫くん こういう背景での亀梨くんは新鮮でしたね。
もちろん 文句なくかっこよかったですね!!