傾く頤
曲げられた首
般若の面の下に隠された
表情が透けて見えた気がした
翳された扇の陰は
彼の横顔の陰影を濃くする
回される傘
それが傾けられるその角度
傘から見える着物姿の分量
彼の小道具の使い方は絶妙だ
まるで お面、扇や傘を自分の身体の一部のように
自由自在に使いこなす
天空から地上に降りた彼が舞い始める
肩の傾け方
曲げる膝の深さ
振り返る身体は 美しい曲線を作り出す
舞台をくるりくるりと舞う姿
まわりの空気は 薄紫に変えられる
まるっきり女だと思っていた表情が
今日は<男>をも 感じさせるのはなぜ
女 男を 乗り越えた美しさと妖艶さ
愛する男に取り憑いた女の怨念
それは 愛情が執着へと変わった 凄みのある美しさ
誰にも渡したくない
自分だけのものにしたい思い
置いて逝きたくない
自分ひとりで 去って行かなければならない孤独
半開きのクチビルからこぼれるため息は
甘いけれど 惑わし 命をもしとめる毒をもっている
優しく緩んだ瞳は
一瞬で妖しく光りを増し
妖しさを超え 鋭さ 痛みへと変わる
いとおしさと 憎しみが裏表になったかのような
苦悩に満ちた表情
自分の愛の深さに自ら溺れているかのような
自己愛への甘美な陶酔
スクリーンに映し出される彼の表情に
見入られ 目を離すことができない
男に変わる瞬間
彼にまとわりついていた女の影を
振り払うかのように 太刀を払う
だけど ほんとは
彼も彼女を愛していたのだ
しかし 彼女を振り払うことしかできない
この世では
しぶきを払い 彼女の<怨愛>を振り切る
水の上で 白い半身をさらして
空に浮かぶ彼の苦しそうな横顔は
この世では愛し切れなかった女への償い
全身を使ったダンスを求めていた私だったけれど
今日の私は
彼の手の動き
ひねられた腰の角度
そこから 静かな表情を読み取ることができる
携えた巻物が翻るそのさまは
彼女を優しく葬るための儀式
美しく あでやかに 宙を舞いながら
彼女の魂を慰める
激しいしぶきに 彼の瞳は隠されてしまったけれど
心を澄ますと 彼の息遣いが聞こえる
ほんとうは 聞こえるはずのない距離だけど
確かにそれは 私の耳に届いた気がした
舞い散る雫は 彼女に捧げる涙
彼の魂から 離れていく彼女の魂を
見送りながら 彼も涙を流している
彼の上着は 一瞬 彼女の血で 紅く染まったように見えた
まるで 最期を迎えた桜の花びらが
彼の身体を包んで散って 逝ったかのように
またなの?
今度もそうなの?
最初は 大きく戸惑い
受け入れにくい 彼の<挑戦>
なのに いつのまにか
認めさせられ
納得させられてしまう
こうだったのかと
受け入れてしまう
亀梨和也は こんなヤツだ
京セラの1582は
東京ドームとは
違った印象を受けた
それは 受け取る私が 変わったからなのか
演じる彼の気迫が 増したせいなのか
その相互作用なのか 分からない
最初に感じた戸惑いも
私の正直な思い
そのときどきの思いを どれも大切にしていきたい
変わっていく自分の受け止め方を楽しみたい
あぁ こんなことを言いながら
振り回された後
最後の最後には
私をうなずかせてしまう彼から
これからも きっと 私は 目を離すことができないのでしょうね
もしかしたら
振り回されることを 楽しんでいるのかしらね

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東京より盛り上がったって、はじめてかも・・・って思うほどだったわ・・・
MC長いし、Wあんこもあるなんて!!!大阪では、期待してなかっただけに、嬉しさ倍増だったよ(^v^)
あんなの見せられたら、ホントまた、すぐ、亀に会いに行きたくなっちゃうよね・・・