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Author:彩花
ごくせん・野ブタではかっこつけてる嫌なヤツだったイメージが、こんなに変わってしまうなんて・・・・・
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お話が 5話になりました

やっぱり 素人には ありきたりの流れしか
思いつきません

一応最終までの流れは 頭にはあるのですが
細部の展開が 上手く繋がらず苦労しています
もうここでやめて楽になりたい気持ちでいっぱいです(笑)

でも やり始めたことなので
なんとか 最後までは 書き進めたいと思ってはいるの

今は
書くことの面白さと 辛さの中で揺れています(笑)

では 5話 軽く読み流してくださいね



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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




秋の風のように  5話




「おはよう」
遠慮がちに みゆが声をかけてきた
喧嘩して以来 初めてのことだ

「山崎 お前のこと ずっと見ているぞ」
彼の言葉を思い出した
私だって 気付いてないわけじゃない
私だって いつもみゆを見ている

「おはよ」
聞こえないような小さい声で 私は応えた
みゆは びっくりした顔で 私を見た
そりゃそうだろね
だって 返事をした私自身が驚いてるくらいだもの
みゆも 返事が返ってくるとは 思ってなかったらしい
でも 驚いた顔は すぐ笑顔に変わった
私には もったいないくらいの友だち
優しくて 素直で
ごめんというのは 私の方だと分かっている
ただ もう少し 待ってほしいの


「ねえ ねえ 小田切先生って かなりのワルだったらしいよ」
ひとりの生徒が 自慢げに話始めた
女子高生では スクープを持ってきた子が 今日の主役だ

「お姉ちゃんが 言ってたんだけど
 高校で問題を起こして いろいろな学校を転々としたらしいの」
「へぇ そうなんだ よく教師なんかになろうとしてるよね」
「そう言えば 目つき鋭いよね ちょっと 怖いくらい」
「でも その目が よくない?
 怖いくらいの方が 私 好きだなぁ」
「何よ 美香子は かっこよければなんでも OKなんでしょ」
軽い笑いを合図に 話題は 誰かが昨日買ったブーツの話に変わる
どんな話も そう深く話すなんてことはない
次は 今日のワイドショーでのアイドルの噂と
ホームルームが始まるチャイムが鳴るまで 
話題は 次々と変わりながら
ずっと尽きることがない




彼の高校時代?

金髪 ピアス バイク 煙草とくれば
当然 不良
今さら 驚くこともないわ

彼はあんなこと言ってたけど
そりゃ
真面目なわけないよね

噂話なんか 興味がないって振りをしながら
耳を澄ましていた私は
自然と浮かんでくる笑いをこらえるのに 苦労した

高校生だった彼
「何もかも 気に入らない」
ほんとに そんな光線 撒き散らしていたんだろうか
お前も俺に似てると言われた

今の彼は 時折 鋭い目をするけれど
穏やかな包み込むような優しい目を見せる
それは
何かを乗り越えてきた強い優しさにも思える



チャイムが鳴って 彼が教室に入ってきた
いつもは 教室の後ろで 授業を見学しているのに
今日は 教壇に立って教科書を開こうとしている

今日は 彼の授業?
彼の担当が 数学なんて意外 
全く 似合わない
と言って どことなく繊細な彼は 体育教師って柄でもない

「彼に数学なんて ほんとに 教えられんの?」
私の心配は 余計なお世話だということがすぐ分かる

教え方が 特別丁寧というわけでもないし
冗談や 面白いことを言って 
生徒の受けを狙うわけでもないけれど
彼の説明は シンプルでスッキリしていて 分かり易かった

彼は 私の方を全く見ようともしないので
今こそ 彼を観察するチャンスだった

彼の顔を正面から まっすぐ見てみる

涼しそうな 切れ長の目
きりっとあがった眉
通った鼻筋
そして 綺麗に整った唇の形

なるほど クラスの女の子たちが 騒いでいたのがうなづける
アイドルの誰だかに 似ている気もする

彼は 私の視線に気付いたようだが
私が そんなこと考えていることなど知るはずもなく
平然と数式の説明を続けている

そして 次の問題に移るとき
彼は 居眠りしていた女の子たちのグループに 声をかけた
「起きろ ここだけは ノートに書け」
叱るのではなく 諭すような優しい声だった

その子たちは いわゆる不良として 
どの先生たちからも 見放された子たちだった
いつも不機嫌で 下手に注意しようものなら 
とことん 反抗され 退屈しのぎの餌にされる
だから 見て見ぬ振りで どの教師も声をかけたりしない
やりたい放題の状態だった

腫れ物に触るような態度
体のいい特別扱い
それがまた 彼女たちのいらいらを募らせていた

なのに 彼は ごく普通に彼女たちに接していく
彼女たちは
いきなり起こされたのに ことさら苛立つこともなく
眠そうにあくびをしながらも
ノートを 机から取り出そうとしている

彼の穏やかな声が続いた
「これは 基本だから ここだけ覚えておけばいい」

「うっせぇな ほっとけよ」
いつもは 乱暴な投げやりな言葉を 教師に投げつける彼女が
面倒くさそうではあったが 黒板の数式を写そうとしている
教室の後ろで見ていた 数学の担当教師が驚いたような顔をしている

彼は 不思議だ
心の中に 自然に入ってくる術を知っている
けっして 強引ではなく
先生面をするわけでもなく
自分でも気付かない振りをしている淋しい心を探し当て
黙って そばに立っている


彼は 再び 授業を始めた
淡々と授業を進めていく
感情を表さない整った横顔に
音楽室で 外を眺めていた彼の顔が重なる
それは たった一瞬だったけど 
とても淋しそうで
あのときの表情が忘れられない

彼も 何かを抱えているのだろうか?

私は 彼を何も知らない
彼のことが知りたい

私の中で 
彼の存在はどんどん大きくなっていた


今日は 放課後遅くまで 職員会議があるらしかった
彼も会議に出るはずだ



あの喫茶店で
久々の<いつものコーヒー>が 運ばれてくる
「この香りだ」
でも 一口飲むと 前と味が微妙に違う気がする
私が 何日か来ないうちに豆を変えたのだろうか
「豆の種類 変わりました?」
お店の人に聞いてみたが 前と同じだそうだ

私が前の私と変わり始めたのかもしれない

店の片隅にひとりで座って味わう一杯のコーヒーが
今まで 私を癒してくれていた
寒い家に帰る私の心を温めてくれていた
ひとり ここで飲むコーヒーが好きだったの

でも 今は
陽だまりの中に まどろむときの心地良さを
知ってしまった

彼との時間が私を温かくしてくれていた

そして 私は そのことに はっきり気付いてしまっていた



   <つづく>

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コメント

彩花さんお久しぶり!

忙しいのもありで物語読めてなかったんだけど、素晴らしいですねぇ。こんなに書けるなんてうらやましい。
女の子の気持ちの変化をうまく表現できてて。。これって彩花さんよくわかる・・
泣けました。言葉で会話しないでその心の交流をうまく描かれていますねぇ。ここが私的には一番です。

強がりで、可愛くない・気持ちはあるんだけど言葉で伝えられない
・・私もよく似ててなんだけど、彩花さんは表現できるから素敵です。

おけいこさんへ

お久しぶり!

コメント ありがとう
言葉で会話しないで 心を描いているなんて
なんて 嬉しいこと言ってくれるの(笑)

そうそう ほんとは可愛いんだけど(?笑)
素直にその部分を見せられない可愛くない女
私とおけいこさん
同じタイプでしたよね
柚樹も 仲間です!

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