<信じてくれる人がいるから>
「あなたはいい人間ですか 悪い人間ですか」
そんな単純で唐突な質問をされることはないと思うけど
あえて自問自答してみるとき
「私はいい人間です」と胸を張っていうことはできない
それは 哀しいことだけど
自分の胸の中を 正直に覗いてみると
そう答えることしかできないの
小春のセリフに凄く共感した
私も すごくいい人を見ると眩しくて
自分がどうしようもなく嫌になることがある
夏目刑事の心の中
犯人をどうしても許せない気持ち
自分の手で命を奪ってやりたいとまで思う憎しみの気持ち
今まで出てきた登場人物の中でも
帽子の男が 緑の液体を注ぐ必要がないくらい
一番激しいものだったんだね
普段の夏目さんからは想像もできないくらいの激しさ
いい人間と悪い人間
そんなに簡単に分けて考えたり
決めつけたりできないと思う
誰の心の中にも とても弱い部分がある
自分や家族を大切にする気持ちは
ときに周りを傷つけることにも繋がっていくし
自分や家族を守ろうとするとき
周りを攻撃してしまうくらいの激しい感情に襲われることもある
夏目さんを悪い人間にしたくないという強いベムの思いは
そのためなら 自分が悪役になるというところまで達していく
ただ 彼を止めるのではない
夏目さんの心情を深く理解しているから
阻止することはできない
なら 自分が代わりになる
その気持ちは <願い>に近いものかもしれない
「あなたに悪くなってほしくない
あなたはそんな人ではない」
誰かがそう強く念じてくれるとき
人は 悪い人間になりきることはできない
ベムの思いや夏目さんの家族の思いが
夏目刑事を踏みとどまらせた
もとからいい人間なんていなくて
誰もがいい人間になろうと努力している誰かが 自分を信じてくれることで
その努力を続けることができる
多少の弱さを受け止め
そして 支えてくれる誰かがいてくれる
それが
人間を人間として存在させ続けられる要因だろう
犯人の命を奪おうとしたベムを
そのまま見つめているベラとベロ
彼ら 3人の関係は 人間そのものだったと思う
帽子の男が ベムたちの兄弟?
大きな展開はどんな結果へたどり着くのだろう

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